7.28.2017

加藤陽子さんブックフェア

「過去を正確に描くことで未来をつくるお手伝いができる。それが歴史学の強みです」歴史学者の加藤陽子さんが、いま、読んでほしい本、20冊を選びました。「戦争が平場に降りてきた時代を生きる」選書フェアを開催いただいている書店さんでは、各書籍への加藤陽子さんのコメントの入った小冊子も配布しています。末尾に掲載しているフェア開催書店さんで、ぜひお手に取ってみてください。(編集部)

「寓話は、今この瞬間に起こっている戦争には無力であるが、永遠に起こりつづけるかも知れない戦争というものに呼びかける力はある」とは、敬愛する劇作家・野田秀樹の言葉です。

冒頭の「寓話」の二文字には、「歴史」あるいは「学問」など代入可能でしょう。

約140億年前にできたこの宇宙の中に、約46億年前に生まれたこの地球の上で、約20万年前に誕生した我らが祖先、その伝来の知恵を総動員し、地球が廃墟と化すのを押しとどめる時期に今や我らは到達したのではないかと思います。

後から振り返り、正真正銘の「危機の時代」だったと総括される時代が、素知らぬ顔をして脇腹を通り過ぎてゆく時の感覚、その感覚を体感できる本を選んでみました。
――加藤陽子 








2、石田勇治
『ヒトラーとナチ・ドイツ』

(講談社現代新書、2015年)






5、戸部良一
『日本陸軍と中国』

(ちくま学芸文庫、2016年)


6、山室信一
『憲法9条の思想水脈』

(朝日新聞出版、2007年)


7、野呂邦暢
『失われた兵士たち 戦争文学試論』

(文春学藝ライブラリー、2015年)


8、NHKスペシャル取材班編著
『日本人はなぜ戦争へと向かったのか』
全三冊
外交・陸軍編/果てしなき戦線拡大編/
メディアと民衆・指導者編
(新潮文庫、2015年)


9、佐藤さとる
『海の志願兵』

(偕成社、2010年)


10、佐藤卓己
『言論統制』

(中公新書、2004年)


11、大岡昇平
『対談 戦争と文学と』

(文春学藝ライブラリー、2015年)


12、橋川文三
『日本浪漫派批判序説』

(講談社文芸文庫、1998年)


13、古関彰一
『平和憲法の深層』

(ちくま新書、2015年)


14、佐藤幸治
『世界史の中の日本国憲法』

(左右社、2015年)




16、波多野澄雄
『幕僚たちの真珠湾』

(吉川弘文館、2013年)




18、伊藤隆
『大政翼賛会への道 近衛新体制』

(講談社学術文庫、2015年)


19、小谷賢
『インテリジェンス』

(ちくま学芸文庫、2012年)







★全国のフェア開催書店

※開催時期は、各書店さんによって異なります。

正文館書店 知立八ツ田店
正文館書店 本店
新栄堂書店 パークタワー店
ジュンク堂書店 大阪本店
戸田書店 藤枝東店
丸善 津田沼店
あゆみブックス 仙台一番町店
ジュンク堂書店 仙台TR店
くまざわ書店 武蔵小金井北口店
戸田書店 長岡店
戸田書店 中之条町店
戸田書店 前橋本店
恭文堂書店 学芸大学店 
ジュンク堂書店 池袋本店
ジュンク堂書店 ロフト名古屋店
丸善&ジュンク堂書店渋谷店
青山ブックセンター 六本木店
青山ブックセンター 本店
東京堂書店 神田神保町店
三省堂書店 神保町本店
HMV&BOOKS TOKYO
紀伊國屋書店 横浜店
ブックセンタークエスト 小倉店
丸善 名古屋本店
ジュンク堂書店 藤沢店
ジュンク堂書店 姫路店
知遊堂 亀貝店
ジュンク堂書店 吉祥寺店
紀伊國屋書店 新宿本店
ブックファースト 新宿店
ときわ書房 志津ステーションビル店

★全国の大学生協


北大生協クラーク店
山形大米沢店
東北大文系
東大本郷
東大生協駒場書籍部
早大生協ブックセンター
慶應生協日吉店
首都大学生協南大沢
横国大生協会館店
埼玉大
信大松本農学部
静岡大静岡
近畿大学
広島修道大
高知大朝倉
福岡女子大
長崎大医学部
宮崎大学
琉球大学


小社刊行の著者の本

加藤陽子『戦争まで』